HACCPに基づく衛生管理

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HACCPの7原則12手順

 HACCPの具体的な原則と手順は、コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)が、1993年に示したものです.

 
HACCPは7つの原則12の手順で構成されています.

手順1:HACCPチームの編成

手順2:製品についての記述

手順3:意図する用途の特定

手順4:製造工程一覧図の作成

手順5:製造工程一覧図の現場での確認

手順6:危害要因の分析       【原則1】

手順7:重要管理点(CCP)の設定 【原則2】

手順8:管理基準の設定       【原則3】

手順9:モニタリング方法の設定   【原則4】

手順10:改善措置の設定       【原則5】

手順11:検証方法の設定       【原則6】

手順12:文書化及び記録の保持    【原則7】

 青太文字の手順については、詳細を下記にしめしています.

 HACCPに沿った衛生管理の流れは、右図のとおりです.
  (図をクリックすると拡大します.)

HACCPの流れ

用途の特定(手順3)

 「意図した用途」と書かれても、??、ってなりそうです.

 
「えっ、食べるんじゃないの?」

 とか、

 「あっ!お土産に渡すのかなぁ~」

 なんて・・・

 デジタル大辞泉で「用途」の解説を見ると、「物や金の使いみち。使用法。」と出てきます.

 実は、HACCPでいう「意図した用途」とは、その食品を『食べる人』を指します.

 食べる人が健康な人であればいいのですが、みんなが健康というわけではないですよね.

 子どもやお年寄り、妊婦さん、飲み込む力の弱い人、食材・食品にアレルギーを持つ人、病気で栄養成分に制限を持つ人など、食品を提供する相手の方のことを考えてくださいね、というのが、「意図した用途の特定」の手順です.

 過去にはこんにゃくゼリーを詰まらせ、幼い子供がなくなるという悲しい事故がありました.

 「喉に詰まる恐れがありますのでお子様や高齢者の方は食べないでください」

 製造会社は事故を教訓に安全に提供できるよう工夫を始めています.

 「用途の特定」、とても大事なことだと思います・・・

製造工程一覧図(手順4)

 「何の材料を受入れ、どのように細切し、加熱・冷却・煮沸し、出荷までどのように保管する」のか.

 
衛生管理の面では、この一覧図が検討する際の出発点になります.

 ところで、
料理をする際、”レシピ” をご覧になって調理した経験、あると思います.

  鍋にサラダ油大さじ1/2を入れ強火にかけます

  卵を炒める時は少しだけ火を落とします

  卵を入れ、箸ですぐ全体を混ぜ合わせます

 文章になっているので違和感があるかもしれませんが、これも立派な「製造工程一覧」です.

 ここからは、完全に私の感想ですが・・・

 この手順に取り組むと、ご自身の調理手順を『まるはだか』にすることができます.

 
まるはだかになった調理手順をじっくり眺めてみると・・・

 

  「あっ!この手順でこの調味料入れてたんだ…」

  
「えっ!こんなに熱を加えてたの…」
  
  
「この手順、逆にしたらおいしくなりそう…」

 

 など、アイデアや改善点が、思い浮かぶかもしれませんね.

製造工程一覧図

危害要因の分析(手順6【原則1】)

 最も重要な手順といっていいと思います.

 
ですが、『最も手間のかかる手順』だともいえます...

 
先の手順4で「製造工程一覧図」を作成するときに、すべての工程に番号を付けますが、この手順では、番号を付したすべての工程について、危害要因を挙げていきます. 

 列挙する危害要因は、下記のように分類されることが多いです.

 生物的危害要因

 非芽胞菌

 芽胞菌

 寄生虫等

 ウイルス

         等

 化学的危害要因

 毒物

 抗生物質

 添加物等

 アレルギー物質

         等

 物理的危害要因

 金属・ガラス

 硬質異物

         等

 受け入れる原料や副材料、包装容器ごと調理工程の1つ1つ、上記の分析をしていきますので、危害要因リストはかなりのボリュームになってしまいます・・・

 
計画作成時の最大のヤマ場です!

 

 この手順を乗り切れれば、バラ色の未来が待っている!!(かもね)

危害要因リスト

重要管理点(CCP)の設定(手順7【原則2】)

 調理・製造の際に、『ここ、大事だよね!』という工程、みなさんもあると思います.

 

『ここ、大事だよね!』

 

 これが『重要管理点』です!!(ザックリですが…(汗))

 
問題は、『ここ、大事だよね!』が、本当に『大事なポイントなのか』です...

 
危害要因の分析を進めていくと、

 

『ここでやらないと、後の工程で取り除けない』

 

 という工程が出てきます.

 

   「しっかり加熱しないとね」
 
   「きちんと洗わないといけないや」
 
   「骨の除去を怠らないように」

 

 HACCPでは、ここが『重要管理点』です.

 
これまでの、『ここ、大事だよね!』と合ってましたか?

 
これまでの工程と比べてみてくださいね.

 

重要管理点(CCP)

管理基準の設定(手順8【原則3】)

 管理基準は、手順7の重要管理点(CCP)を管理するための基準をいい、”CL( Clitical Limit )”と呼ばれます.

 
ところで、食品衛生の場で聞く言葉に「O(オー)157」があります.

 
気を付けるべき病原性大腸菌の名前として知られますが、衛生管理では別の使われ方をします.

 

   O(オー)→”ゼロ”

   1(イチ)→”1分間”

   5( ゴ )→”5度”

   7(ナナ)→”70”

 

 下から読むと、『 75度1分でゼロ 』となりますね(上のように書くと微妙ですが…).

 
『 75℃の熱を1分間加えると、(非芽胞菌の数は)ゼロになる 』.これは、加熱の際の温度と時間の基準を表しているのです.

 
このように、加熱温度と時間、冷却温度(と要する時間)、ペーハー値、水分活性など、食品に合わせた方法で基準を設定するのが、この工程です.

 
危害要因を取り除く「最後のとりで」です.

 
頑張って取り組みましょう!!
管理基準(CL)

文書化及び記録の保持(手順12【原則7】)

 「文書化」とは、一般衛生管理手順HACCPに沿った衛生管理計画を、文書として作成することです.

 
上の記事で示したような手順についての文書だけでなく、手洗い方法や原材料受入れ時の留意点など、PRPに関する文書も含まれます.

 
「記録の保持」とは、温度計や金属探知テストピースのモニタリング記録に限らず、従業員の衛生管理記録や個人教育履歴、改善措置記録や検証記録なども含まれます.

 
「記録の保持」するためには、日々の業務などを『記録』しなければなりません.

 
『記録』も業務の一環なのでしょうけれども、なるべく手間を掛けたくないものです.

 
記録すべき内容や頻度、記録用紙の様式などによって、その手間は大きく変わると思いますよ.

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